三年間、見ていただけの女がいる。
白ジャージに包まれた身体。
歩くたびに浮かび上がるライン。
気づけば、毎朝、目で追っていた。
触れたい。
でも、触れることはない。
そう思っていた。
――あの朝までは。
「おはようございます」
その一言で、距離が崩れる。
ベンチに座る。
会話が生まれる。
そして――部屋へ。
目で追っていただけの存在が、
すぐそばにいる。
白ジャージの輪郭が、
すぐ目の前にある。
手を伸ばせば、届く距離。
三年間、溜めてきた視線。
それが、
一気に現実へと変わる。
後ろ姿に触れる。
布越しに伝わる張り。
もう、止まらない。
見ていただけでは終われない。
この作品は、
「見ていた関係」が「触れてしまう関係」に変わる瞬間を、
そのまま閉じ込めた記録。
抑えていた欲がほどけるとき、
人はどうなるのか。
白ジャージの朝は、
もう、ただの散歩では終わらない。